三線まめ知識

三線と一緒に旅行:三線を飛行機で運ぶには

タグ 三線グッズ
飛行機で三線を運ぶ

沖縄在住の方はもちろん、沖縄県外から三線コンクールの受験のために沖縄入りする方など、三線を連れて飛行機で移動される方もいらっしゃると思います。飛行機で運ぶときの注意点をまとめてみました。
記事の後半では、海外へ本蛇革の三線を持って渡航する際のことについてまとめました。

目次

三線を飛行機で運ぶには

移動中の破損を防ぐために、ハードケースかセミハードケースを用意しましょう。空港のカウンターで預けるにしろ、機内に持ち込むにしろ、ソフトケースでは保護性能に不安があります。

そして移動中の破損を防ぐために、次のような対策をする方が多いようです。

  • カラクイを外す
  • ケースの中に小物(爪や調子笛など)を入れっぱなしにしない
  • 保護のためタオルや衣類を詰めておく

三線を空港の手荷物カウンターで預ける

三線を空港のチェックインカウンターで預けると、三線はケースごと受託ケース(楽器ケースよりも大きい、緩衝材を内側に貼ったケース)に入れられます。
到着地ではバゲッジクレームのターンテーブルではなくて、別の受取りカウンターから引き取る場合もあります。一応それなりの扱いはしてもらえることが多いようで、三線を預けて破損したという話は国内においては今のところあまり聞きません。

ただ、地方の空港などで受託ケースが足りなかったりして用意されない場合もあります。そのような場合は三線ケースのまま預けることになりますが、ソフトケースでは破損の心配が拭えません。

預ける荷物の重量には制限がありますが、三線ケースごとの重量も合わせてカウントされます。三線以外の荷物もできるだけ軽くしておきたいものですね。

三線ケースの選び方については、こちらの記事をご覧ください。
»三線ケースの選び方 – 沖縄三線Net

三線を機内に持ち込む

三線を飛行機の中に持ち込むことは可能な場合もありますが、航空会社によってそれぞれ規定がありますので、事前にチェックしておくことをおすすめします。

例えばANAのウェブサイトでは「楽器ケースの3辺の合計が115cm以内の場合、機内への持ち込み可能」となっています。詳しくは利用する航空会社に問い合わせてください。

また、飛行機の種類によっては別の規定があることもあります。離島行きの小さい飛行機ではより小さいサイズに限られる場合もあり、利用する方は特に注意が必要です。

全ての三線ケースが「機内持ち込みサイズ対応」で作られているわけではなく、実際に3辺の和が115cmを超える三線ケースもあります。
ソフトケースであればサイズ規定をクリアできるかもしれませんが、離着陸時の安全のため収納ボックスに入れるよう求められるため、揺れで壊れてしまうことも考えられます。

座席に三線を置いておきたいならば、追加料金を払うことで可能な場合があります。ただしその料金は安くはありません。

「三線を機内へ持ち込もうと思ったら、直前に断られて、改めて預けに行った」という話も聞きます。それが原因で飛行機の出発が遅れることもあるでしょうから、できれば事前にカウンターで預けるのが良いのではないでしょうか。

航空会社各社の参考リンク

»手荷物[国内線] | ご旅行の準備 [国内線] | ANA

»JAL国内線 – 楽器とおでかけサービス

»日本トランスオーシャン航空

»手荷物をお預けになるお客様へ|搭乗時の手荷物の取扱について|空港アクセス 搭乗案内|スカイマーク SKYMARK

»受託手荷物 | ジェットスター

»受託手荷物 | Peach Aviation

本革三線を持って海外へ渡航するのは、非常に難しい

三線のウマ(馬,コマ,駒)

本蛇革の三線を海外へ連れて行くには、大変煩雑な手続きが必要で、これが大きなハードルとなっています。プロの三線演奏家でさえも、海外の講演には合皮の三線を用いるそうです。
その理由や背景を見てみましょう。

ワシントン条約とは

本蛇革の三線を持って海外へ渡航するとき、なぜ手続が必要なのかというと、ワシントン条約の規制対象のひとつにニシキヘビの皮が含まれているからです。ニシキヘビとはつまり、三線の胴に貼ってある素材です。

»参考 : 三線の皮はハブじゃないですよ – 三線Q&A – 沖縄三線Net

ワシントン条約とは「国際取引によって生存を脅かされている又は絶滅してしまう恐れのある野生動植物を保護することを目的とした条約(日本税関ウェブサイトより引用)」です。
つまり、珍しい動植物が捕まえられて売られることがありますが、その売買や国際間移動を厳しく規制することで動植物を保護しようとしているのです。

規制対象に当てはまるものは、海外へ持ち出したり持ち込んだりするのには特別な許可が必要です。

参考リンク
»ワシントン条約 : 税関 Japan Customs
»ワシントン条約(CITES)(METI/経済産業省)
»渡航者向けパンフレット

ちなみに、三線と同じくニシキヘビの革を使う楽器の二胡や、ローズウッドを素材に使ったギターなども規制対象です。

ワシントン条約の加盟国数は2018年現在183ヵ国となっており、日本人が普通に旅行で行くような国はまずほとんど当てはまると言っていいでしょう。

本革の三線を海外へ持って行く許可証の取り方

それなりに日数がかかります。お土産の免税品のように、空港で飛行機に乗る前に申告すればOK、というようなものでは決してありません。

まず必要な書類を揃えたうえで、日本の経産省の許可証を取ります。
»ワシントン条約規制対象貨物の輸出手続き(METI/経済産業省)

つづいて、渡航先の国での許可証も取得します。渡航先によって手続方法が違い、必要な場合は自分で調べるか、その国の経産省などに問い合わせなくてはなりません。おそらく、問い合わせも手続きも渡航先の国の言語でする必要があるでしょう。

許可証がなければ

もしこうした許可証がなければ、行きの空港では飛行機に乗せることができたとしても、渡航先の税関でチェックされ、没収される可能性が出てきます。

「許可を取らずに行ってみたら、大丈夫だった」というような噂もあるようですが、発覚したら法令違反なわけで、おおっぴらに言えるようなことではありませんので、真偽のほどは定かではありません。

また許可証に特例があり、一時的な携行品は手続きが免除されるなどの情報もありますが、もし日本で特例を受けられたとしても渡航先国での取り扱いがどうなるかまではわかりませんので、そのつど関係機関へ確認する必要があります。

海外へ行くときは合成革の三線にしましょう

以上のように、本革の三線を海外へ持ち出すのは大変に面倒なことです。

そこで、海外へ三線を連れて行くなら合成皮のものに限る、というのが常識になっています。プロの三線演奏家が海外で公演する際も、ほとんどの場合合皮三線を用いるということです。

個人の趣味レベルであれ、その三線は思い入れのある大切な楽器(または相棒)でしょう。本革三線を海外旅行に持って行きたいと考えるのもそれなりに思いがあってのことでしょうが、この手続きの煩雑さは割りに合わないと言わざるを得ません。
また、航空会社が荷物を丁寧に扱ってくれるのは当然、という感覚は基本的に日本国内でだけ通じると思ったほうが良いでしょう。海外旅行では、荷物が旅先へ着く過程で一体どんな扱いを受けるのか読めません。必ずしも丁寧に扱ってもらえるとは限らないと腹をくくるしかないのです。

参考リンク
海外へ三線を持ち出す件について、著名な三線奏者のよなは徹さんのコメントがネット上に残っていました。プロが使う高価で貴重な三線を、海外へおいそれとは持ち出せないことがわかります。
»よなは徹掲示板

飛行機は絶対LCCとは限らない

ちなみに、沖縄県外から沖縄へ、三線のコンクールや三線修行で行かれる方へ。私も内地在住ですが、飛行機の選び方で、最近個人的に気をつけていることがあります。

三線や着物を持つと意外に荷物が増えます。LCCは安くて便利ですが、荷物が増えると、追加フィーがかかることがあります。もちろん、言うまでもなくLCCは元の値段が安いのですが、時期によってはJAL/ANAとほとんど変わらない場合もあるんだなぁ、ということに気づきました。

さあ、結局のところ一番安い航空券ってどれ?と思ったときは、格安航空券の検索サイトで調べています。なかでも複数の航空会社を横断検索してくれるエアトリが便利です。



繁忙期の便利な時間帯の飛行機はLCCでも結構な値段がすることがあるので、マメにチェックすべきと感じています。

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