三線を買うときの疑問

三線(さんしん)のお値段ってどのくらいですか?

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三線の値段はどのくらいするものなのでしょうか。手が出る値段のものがあれば買ってみたいと思っているのですが……

三線の値段は、ありていにいうと「ピンキリ」です。三線(さんしん)は、沖縄の象徴とも言える楽器です。お土産用に安価で売られている三線もあれば、沖縄の家庭で家宝にされるような超高級品もあります。その様子からして、どれほど沖縄文化に染み込んだ存在であるかがわかるでしょう。

この記事では、どんな値段の三線があるのか、また三線初心者の方はどのくらいの価格帯の三線を選ぶと良いか、まとめてみました。

目次

1万円前後の値段の三線

いちばん安い三線は1万円前後ですが、正直に言って、この価格帯の三線は初心者の方にもあまりおすすめしません。
海外でつくられたものも多いといわれ、音もいまいちな場合が多いのです。それ以上の値段のものと比べると音色が全く違うことさえあるので、練習用としてさえもどうか、と個人的には思います。
ディスプレイや小道具用として割り切って買うのにはアリ、でしょう。

三線初心者の方には、初心者だからこそ、それなりの音色のするちゃんとした三線を持ってもらいたいと思います。そのほうが上達の近道です。

なお、三線をネットで探していると、1万円以内の価格帯に「カンカラ三線」というのが出てきますが、これはちょっと別ものだと覚えておいてください。三線教室などに通う予定の方は、カンカラ三線ではなく本三線を買いましょう。
カンカラ三線とは、漆塗りでヘビ皮を張った本三線とは違い、金属の缶を胴体にして三線に近い音色が出るように作られた楽器です。戦後の沖縄で物資不足の中から市民が工夫して生み出したと言われています。自作キットが発売されていたり、ペイントやデコレーションが自由にしやすいなど、元の三線とはまた別の楽しみ方がある楽器です。詳しくは別項に譲ります。

価格が3〜5万円の三線

三線初心者の方、三線を初めて買う方におすすめしたいのは、単品で3〜5万円くらいの価格帯の三線です。このくらいの価格の三線ならば、およそ音も問題なく、数年間はじゅうぶんおつきあいできるでしょう。

このクラスの値段の三線は安い木材の棹(さお:ギターのネックにあたる部分)を使っていることが多いです。初めて三線に触れる方は、その特徴的なヘビ革の胴に目がいきがちですが、実は三線の音色を左右するかなめの部分は、棹です。

数年経って三線が上達したらば、もっと響きの良い三線が欲しくなるかもしれません。その時にワンクラス上の三線を入手すれば良いかと思います。初めからいきなり値段の高い三線を買うのは決して悪いことではありませんが、価格が3〜5万円の三線でも三線初心者には十分満足できると思います。

また、この価格帯ならばネットで買うのにもあまり躊躇せずに済みます。初めての三線をネット通販で買うことに不安を感じる方もいるかもしれませんが、三線を専門にしているネットショップを選べば、アフターフォローもきちんとしてもらえる場合が多いです。

さて、三線を初めて買う場合は、バチやケースなども合わせて購入する必要があります。三線専門店やネットショップを探してみると、初心者向けにケースや譜面、その他のパーツをすべてセットにした商品も取り扱っています。三線には替えパーツやケースは必須なので、こういった初心者向けセットなら抜かりがなく、はじめての方にはおすすめです。

3〜5万円クラスの三線を見てみる

価格が10〜20万円付近の三線

10〜20万円くらい出すと、それなりの品質の三線が手に入ります。やはり3〜5万円の三線よりははるかにいい音が出ます。2本目に手にするならば、このクラスの三線が良いでしょう。

研究所に通って琉球古典をじっくり習っている方、三線コンクールに挑戦している方など、三線初心者を抜け出して玄人の域に入りつつある方が持っていることが多いのは、この価格帯の三線です。

ネット通販を調べてみても、取り扱っている三線の価格は最大で30万円程度です。これを超える高価な三線も存在しますが、あまり流通量は多くありません。商品数が多く比較検討して買える価格帯がおよそ10〜20万円台です。

この値段になると、やはりそれなりにこだわって買いたいものです。沖縄で探し回ったり、三線専門店に足を運んだりして、実際に手にとってから決める方が多いはずです。
沖縄県外にお住まいで、お近くに三線専門店がないという方は、百貨店の沖縄フェアを狙ってみてもいいかもしれません。

10〜20万円クラスの三線をチェック

番外編 : 値段が100万円以上する三線

流通量は極めて少ないですが、100万円を超える三線というのもあります。

なぜこんな値段になるかというと、その理由は作り手の職人の価値もさることながら、加えて材木の希少性です。
三線の棹の材木として最高級とされているのが八重山黒木・沖縄黒木などと呼ばれる木ですが、現在は準絶滅危惧種であり、伐採できません。三線の素材にするためには、保護規制がなされる前の数十年前に伐採された木を入手するなどするしかなく、それでこのような値段になってしまうようです。

200万円を超えるという三線の音色を聴かせて頂いたことがありますが、それはそれは素晴らしいものでした。ただし、それなりの腕前が伴わなければ、この三線の価値を輝かせることはできないでしょう。三線初心者がいきなり持つようなことはふつうはありません。

100万円超えの三線は、本当に三線が心から好きな奏者や三線を極めたプロが自分のパートナーとして購入することもあれば、子孫へ受け継ぐ財産・投資として買われることもあります。

まとめ : 初めての三線は単品で3〜5万円くらいのものを。

  • もっとも安い三線は1万円くらいだが、あまりおすすめしない。
  • カンカラ三線は別もの。教室などへ通うなら本三線を。
  • 超高価な三線もある。
  • ただし、三線初心者があまり高いものをいきなり買う必要はない。

というわけで、初めて三線を買う方には値段が3〜5万円くらいのものをおすすめします。

3〜5万円クラスの三線を見てみる

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